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大阪皮膚科医会

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柔道、レスリングをする人たちの間で流行っているカビの病気

最近、柔道、レスリングをする人たちの間でカビの病気(皮膚真菌症)が流行っています。

 原因となるカビは、10年前には日本ではほとんど見られなかったのです。いきなりここ数年前より増えだしたのです。柔道やレスリングの選手が海外試合に出て感染したと言われています。最近、経験した患者さんは、10ヵ月の赤ちゃんの頭の脱毛が治療しているが治らないと来られました。頭の脱毛部を診ると、黒い点がポツポツと沢山診られました(写真)

 以前、こような症例を経験していたので、これは「blackdotringworm」(黒点状白癬)ではないかと考えました。さっそく診断のためにその黒点(真菌によって毛が切れたもの)をピンセットで引き抜いて、顕微鏡で見ると、やっぱり毛の中に丸い真菌の胞子が沢山見られました(写真)。これで診断は確定です。真菌を培養してみると、黄色い色素を出す毛羽だった菌集落(写真)で、菌成分の顕微鏡所見(写真)から、「トリコフィートン・トンスランス」であることが同定できました。

 さて、赤ちゃんの病原菌はどこから感染したのでしょうか。これが謎でしたが、ある日の診察でその謎が解けました。実は、お母さんは数年前まで、柔道をしていたそうです。さっそくお母さんの頭を診ると、なんと黒点が数個診られるではありませんか。顕微鏡検査で真菌成分が発見できました。さて、治療ですが、抗真菌の外用だけではうまく治らないことが分かっています。抗真菌の飲み薬が必要です。でもお母さんは内服できますが、10ヵ月の赤ちゃんには抗真菌の飲み薬の投与は報告例も少なく慎重になります。

現在、塗り薬で経過を診ていますが、治りが悪いですが。少しずつ良くなっています。

柔道やレスリングをする人に、顔、頭(黒点が多発した脱毛)、体にタムシを見たら、皮膚科専門医を受診してください。家族にも感染するので早期発見と早期治療が大切です。

文責:DRサッサー

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